アイスランドの凋落とその教訓
朝日新聞によると、同新聞と会見したアイスランドのゲイル・ホルデ首相は、「もう大きな金融セクターを持つことはないだろう」と延べたとのこと。1980年代から国策として目指してきた金融立国への道を事実上放棄する発言です。もう金融立国はこりごりだ、という本音が見て取れます。
アイスランドはここ数年、金融立国の成功例として世界中から投資資金を集めていました。しかし、サブプライムローン問題に端を発する金融危機を受け、欧米の投資機関が一気に資金を引き上げたため資金難に陥ってしまいました。主要銀行の国有化などの対策を取ったにも関わらず通貨クローナは売り込まれ、いまや財政的に国家破綻の危機に瀕してしまっています。
このあたりの事情については、「平和の国アイスランドが“倒産”に追いつめられるまで|R25」さんや「アイスランド国家破産-金融立国の崩壊|投資経済データリンク」さんが詳しく書かれているので、詳細を知りたい方はそちらも参考にしてみてください。
これらを読むと、アイスランドの金融立国というのも一種のバブル的なものだったのだということがわかります。金融というのは、あくまでもそれを必要とする実体経済があってこそ長期的に安定するもの。アイスランドの場合、実体経済以上に膨らんでしまった金融セクターは海外の投資期間に依存していたわけですが、海外が崩れると同時に、国内経済だけでは到底支えきれずに崩壊してしまったわけです。
結局のところ、金融だけでは経済は動かない。実体経済の裏づけがあって、初めて金融システムの存在意義が生まれてくるのです。金融立国なんてものは私は幻だと思います。少なくとも、長期にわたる永続的な金融立国なんてものは存在しないでしょう。一見、金融立国に見える国には、必ずそれなりの実体経済が存在しているはずです。
この事例を考えてみると、日本でも金融立国化をと叫んでいる人が居るようですが、そう安易に金融立国なんてものを目指してしまってよいのか疑問に思えてきます。確かに、日本の実体経済に見合った金融システムは必要ですし、旧態依然とした日本の金融システムが十分な機能を果たしているかというと、それはそれで疑問ではあるのですが、それとこれとは別問題です。つまり、金融システムの刷新と、金融立国化とは分けて考えたほうが良いのではないでしょうか。


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